フトアゴヒゲトカゲの便について、我が家のナイトさんの便が緩いときに書いたこの記事が、結構読まれています。
ありがとうございます。ありがとうございます。
この記事を書いてから半年ほど経った今、私も知識量が増えフトアゴヒゲトカゲの便、広くいえば体調管理について、「こうしたらいいのでは?」とか「この情報は正しいの?」とかいろいろと気になることが出てきました。
気になったら調べてみないと気が済まない、夜も眠れない性分なので、いろんな文献やインターネットを駆使して詳しく調べてみました。今回はその情報をまとめてみます。
尚、本記事はフトアゴヒゲトカゲについての記事ですが、一般的にトカゲと言われる種類全般に共通することだと思いますので、ご参考にあれば幸いです。
また、当たり前ですが「個体差」というものがありますので「我が家は違うぞ!うそつき!」って思われる場合もあるかと思います。その場合は鼻で笑いながら広い心でお読みいただけると嬉しいです。
はじめに
まず、この記事で私が特に何を言いたいのか、何について詳しく考察したのかを簡単に書いておこうと思います。
今回のトピックは3つで、
- トカゲの消化吸収・排泄
- トカゲの日光浴
- トカゲの脱水症状
になります。
なぜこの3つに着目したのかですが、まず消化吸収・排泄は我が家では上記事の通り頭を悩ませた経緯があるので、もう一度しっかり考えてみたいと思ったからです。
日光浴と脱水症状については、排泄のことを調べていくうちに気になることが出てきましたんで、付録として書いてます。便のことさえわかればよいという方には必要ない情報かもしれません。
インターネットは本当に便利で、何か気になったことがあった時、検索をかけてみればすでに誰かがそのことについて説明してくれています。いい時代になったものです。
しかし、その情報が本当に正しいかどうか、わかりませんよね。いくつかの記事を見比べると書いていることが違ったり・・・
そのような答えになったロジックがわかれば安心しますよね。
今回はできるだけロジカルに且つ、わかりやすく説明していこうと思います!
尚、この3つを深く考えるためにあーだこーだ、いろんな視点からごちゃごちゃ説明しています。過程について興味ない方は検証過程はどうぞ読み飛ばしてくださいまし。
消化吸収、排泄
トカゲの食事
フトアゴヒゲトカゲの食性は「雑食」です。
生後1年未満は動物性たんぱく質(主にコオロギやデュビア)をメインに、野菜(小松菜・かぼちゃ・人参・オクラ・コーンなどなど)と人工飼料(有名なのはレップカル)を交えながら与えていきます。
生後一年(アダルト)を過ぎると、肥満になるのを防ぐために野菜を中心の生活にシフトしていきます。餌も2、3日に一回でよいでしょう。
また餌だけでは不足しがちなカルシウムやビタミンは別途添加してあげるとより健康に過ごせるでしょう。
上記内容はフトアゴヒゲトカゲの飼育についての基本部分で、様々な飼育本にも書かれていますね。
しかし基本通り餌やりを行っていても、野菜を食べなかったり人工飼料を食べなかったり、「個体差」があるので思い通りにいかない点はたくさんあると思います。
動物性たんぱく質は嗜好性が強いので、これを食べないということはほとんどないと思いますが、野菜を食べない子の話はたまに聞きます。
そういう子には、100%の野菜ジュースを飲ませたり人工飼料をオレンジジュースでふやかしたりして栄養が偏らないようにしてあげます。
吸収と排泄
そういった、飼い主の試行錯誤(という名の愛情)の結果はトカゲの便に現れるわけですが。
我が家ではこの「便」にすごく悩まされました。便が緩い時期がとてもながかったんです。
人間が下痢になる原因について調べてみると、主に4パターンがあり、
- 浸透圧の高い食べ物をたくさん摂取した場合(食べ物が保水して水分が体内に吸収されない)
- 毒素をやっつけるため、腸管からの分泌物が増える場合
- 腸内の炎症が原因で、浸出液なるものが出される場合
- 腸の蠕動運動が活発になりすぎて水分が吸収されないまま排出される場合
とのことです。
ちなみに、人間はおしっこをしますよね、アイドル以外の人は。
人間の場合はアンモニアという毒素を尿素にして排出します。これがおしっこです。爬虫類や鳥類に関しては尿酸という形で排出します。
トカゲが便を出したときに白く細長い(楕円形)のが混じってますよね。あれが尿酸です。ちなみに魚類は基本的にアンモニアのまま排出します。
この魚類と爬虫類・鳥類の排泄の違いには、生物の進化が影響しています。
水中で生活していた魚が両生類になり、さらに陸に上がり生活を始めようと思ったとき、乗り越えないといけない壁がありました。それは乾燥です。乾燥から身を守り、貴重な水分を体から必要以上に失わないようにするため、硬い鱗に体が覆われるようになりました。進化って素晴らしい。
それで、「アンモニアは有毒だから体外に出さなきゃ、でも水分はできるだけ失いたくない・・・そうだ!水に溶けにくい尿酸にしてから体外に出そう!」ってことで尿酸という形で排泄するようになりました。進化って素晴らしい(二回目)。
だから、爬虫類や鳥類はおしっこをするのか?という問いに関しては、「NO」という答えになります。アイドル!
下痢の話に戻りますが・・・消化吸収の仕組みが哺乳類とは多少違うとは思いますが、トカゲが下痢を起こす原因は、哺乳類の場合とほとんど変わらないと思います。
ただ、爬虫類は変温動物なので体が温まらないと上手に消化できません。これは大前提です。
この大前提をクリアしているとして、なぜ下痢を起こしてしまうのか。
出てきた便がしっかり消化されているのであれば、蠕動運動が活発すぎる、ということはないと思います。
可能性として高いのは、菌(毒素)にやられている、もしくは浸透圧の高い食べ物の影響です。(消化自体が不十分の便が出ている場合は体調不良など別の部分に原因があるかもしれません。)
もし腸内が菌に汚染されているとしたら、まずはトカゲのためにも病院に行くべきでしょう。
で、浸透圧の高い食べ物についてですが、これは人工飼料が当てはまります。
人工飼料(レップカルフード)を初めて水やオレンジジュースに浸したとき、吸水力にびっくりしませんでしたか?こんなに吸い込むの?ナプ●ンかよ!と。
人工飼料に偏った餌は、下痢を誘発するのではないか、というのが私の考えです。
我が家のナイトに関していえば、レップカルフードめっちゃよく食べるんですよ。一番好んで食べます。逆に活餌をメインでたくさん与えると、便にかたさが戻ります。コオロギなどの活餌は浸透圧が低いからでしょう。
以上のことから、トカゲの下痢が続いている場合は一度人工飼料をやめてみてはいかがでしょうか。水分補給に関してはとても大切なので野菜なり、スポイトなりで与えなければいけません。浸透圧の高いフードを控える、ということです。
これで解決しなければ、腸内の炎症、または菌の影響が考えられるので、一度病院に連れて行った方が良いかもしれまんね!
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トカゲの日光浴
ここからは付録になります。興味のある方だけどうぞ・・・。
トカゲの日光浴の意味合いですが、「変温動物だから、体暖めてるんでしょ?」と思っているそこのあなた!!正解です!!パチパチ。まぁ、これは上にも少し書きましたけど。
簡単に言えば「体を暖めている」で終わってしまう話ですが、もっと踏み込んで・・・。日光浴で何を求めているかというと、それは女性の大敵(?)「紫外線」です。
紫外線を浴びてどうするのか。
トカゲにとって紫外線とは食欲増進、脱皮促進、ビタミンDの生成という効果があります。人間も適度な日光浴は大切です。浴びすぎると皮膚がんの原因になるといいますが・・・。
骨を作るにはカルシウムとリン、ビタミンDが必要不可欠です。この3つがそろって初めて正常な骨が作られるのです。
コオロギなどの活餌を与えているとリンの摂取量が増えます。偏りすぎないためにカルシウムを餌に添加して与えますが、ビタミンDはカルシウムの吸収を助けます。ビタミンDは(サプリとして売っているものもありますが)日光を浴びることによって皮膚で生合成されます(人間もね)。なので日光浴が大切なのです。
紫外線照射が不足すると、クル病という重大な病気を引き起こします。またこのクル病は完治が難しいといわれています。クル病とはカルシウムが足りず、骨が曲がったり軟化したりする病気です。
消化吸収のためにも、健康な体を作るためにも日光浴は大事なわけです。
また、フトアゴヒゲトカゲに日光浴をさせていると、口を開けていることがありますよね。
これは体の中に暖かい空気を取り込んでいるためといわれています。効率よく体を温めようとしているんですね。
トカゲの脱水症状
トカゲも痛風になる
トカゲは、自分からごくごく水を飲む子が少ないです。諸説ありますが、水入れを置いても水があることを認識できていないというのがもっぱらのうわさです。
どんな生物も、水分がなければ生きていけません。たぶん。
トカゲも水分補給が大切になってきます。体内の水分が減ると体内の尿酸値があがります。体内の尿酸値があがるとどうなるのか。皆さんもよくご存じの「痛風」になってしまうんですねー。
「痛風」は人間だけではなく爬虫類や鳥類でも発症するそうです。そりゃそうですよね。尿酸で体外に排出している生物なので。
また高たんぱくの餌を与えすぎても痛風の原因になるので、食事はバランスが大切です。
「あれ?さっき、水分が貴重だから水に溶けない尿酸として体外に排出してるといいましたよね。なのに、体内の水分量と尿酸値が関係しているの?矛盾!」と思ったあなた。しっかりお読みいただき有難うございます。
尿酸はまったく水に溶けないわけでなないんです。少しは溶けます。その少しが大切のようで、体内の水分が減ると溶けるところがないので尿酸値があがってしまう、ということのようです。ちょっとしか溶けないのにそんなに影響あるの?と思うところですが、それについては、また、いずれ、しっかり調べて、ごにょごにょ。
・・・おほん。
我が家のナイトさんが温浴中などに水を飲んでいるところは見たことがないですが、便が緩いことが多いということは我が家の場合は餌由来の水分で足りているということでしょう。
トカゲは喉が渇いても教えてくれません。飼い主がしっかり管理してあげないといけないポイントですね。
日光浴による脱水症状?
また、日光浴と関連して・・・。
日光浴のし過ぎは脱水症状を引き起こすという記事がたまにありますが、私はこれはありえないと思っております。
先述した通り、乾燥地帯に上陸してきた爬虫類には水分は貴重だったわけです。できるだけ体外に水分を排出したくないため、汗もかかないしおしっこもしません。乾燥地帯で生き抜くアイドル術ですから。
なのに、日光浴で脱水症状を起こすなんてことあると思いますか。
長時間の日光浴後にトカゲが死んでしまい、獣医師に脱水症状が原因と診断されたのなら、それは根本的な飼育ミスだと思います。日光浴以前の問題です。もともと水分が足りてなかったのだと思います。
日影が全くない場所での長時間の日光浴は、脱水症状ではなく体温の上がりすぎで具合を悪くします。だって変温動物ですから。体温は外環境に左右されますから。
日光浴で注意すべきは脱水症状ではなく、体温の過剰な上昇だと私は思います。
最後に
一応私が調べてわかった範囲で、なるべくロジカルに書いてみました。
爬虫類に関しては、犬や猫ほど情報が多くなく、またその情報が本当に正しいのかソースがわからない情報が多いです。情報量が少ないので、インターネットに限らず本に書いてる内容も、絶対に正しいとは言い切れません。
この記事に関しても、本当に正しいのか疑ってください(笑)。そしておかしな部分があれば教えてください。
一匹でも多くの爬虫類が健康に暮らせますように。少しでも多くの過程が幸せなハチュライフを送れますように。
目指すところはただ一つ。「ペットの幸せ」です。
これからも気になったことはとことん調べて記事にしていこうと思います。
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