「八日目の蝉」を、親になった今、観て感じたこと。

本・映画

「八日目の蝉」という映画、ご存知ですか。

原作は小説で、作者は角田光代さん。

 

 

映画の主演は井上真央さんと、永作博美さん。

 

私、この映画が大好きなんです。

アマゾンプライムで無料で観れるので、先日妻と一緒に改めて観賞しました。妻は観るのは初めてでした。

 

この映画、父になってから観るとまた違った気持ちで観ることができて、とても考えさせられました。

 

「八日目の蝉」あらすじ

 

野々宮希和子(永作博美)は不倫相手とその妻が家を離れたすきに不倫相手の家に侵入。不倫相手とその妻の赤ちゃんを一目見るためだったが、赤ちゃんが笑いかけてくれたのを見て衝動的に赤ちゃんを連れ去ってしまう。

そこから野々宮希和子が逮捕されるまでの4年間、薫と名付けられた赤ちゃんは野々宮希和子を本当の母だと思って成長する。

薫は、野々宮希和子が逮捕された後不倫相手とその妻の家に戻り、恵理菜という名前で大人になる。

成人した恵理菜(井上真央)は、妻子持ちの岸田(劇団ひとり)との間に子供を授かるが、頼りにならない岸田と縁を切り一人で育てることを決意。

ちょうどその時、幼少期に一緒に過ごしたことのある安藤千草(小池栄子)が恵理菜の前に現れ、子供のころに過ごした足取りをたどる旅に出る。

 

ざっくりとしたあらすじはこんな感じです。

補足しながら私の好きなところを綴っていこうと思います。

ちなみに、内容は映画バージョンに沿っていますのであしからず。

 

本当に悪い人が、悪人に見えない

 

野々宮希和子は赤ちゃんを連れ去る前に、不倫相手との間に子供を授かっています。しかし「不倫相手が今は無理だから中絶してくれ」というので中絶するのですが、その後相手の妻が妊娠し、野々宮希和子は相手の妻の嫌がらせに遭います。

自分も産みたかったのですがそれが叶わなかったため、好きだった人の赤ちゃんを一目見ようと人の家に侵入するんです。

 

逃げながら生活し、最後は一枚の写真がきっかけで捕まってしまうわけですが、捕まる際スーツ姿の警官に囲まれたとき、無理に抵抗したりせず野々宮希和子は薫を先に行かせて警察官に保護させます(ここらへん号泣シーンです)。

野々宮希和子は警察に捕まり、薫は保護されます。薫はお母さんの名前を呼び続けます。

最後に野々宮希和子は警察に向かって、「その子はまだ!ご飯を食べていません!!よろしくお願いします・・・!!!」って言うんです。

 

赤ちゃんを盗んだ犯人なんですが、それ以外のシーンは全て子供に愛情を注ぎ続けるお母さんなんです。

中絶してしまったお腹にいた子と重ね合わせ、ずっと一緒に居たいと願って生活をしていきます。

 

この映画の一番好きなところは、野々宮希和子が犯罪者に見えない描写をしているところです。

むしろ、不倫相手の妻の方が嫌がらせをしたりして悪者に見えてしまいます。(もちろん、子供を盗まれてる間の4年間は生きた心地がしなかったと思います。しかしそんな描写はないので)

もっと言えば、いけないのは不倫した男なんです。この男がいけない。ただお父さんも影が薄い感じで悪く見えない・・・

 

幼少期の生活をたどることで、希和子の愛を知る

 

恵理菜(=薫)が成人し、野々宮希和子のように不倫相手の子供を妊娠した後、安藤千草と一緒に幼少期に希和子と一緒に暮らした(逃亡した)足取りを辿っていきます。

その辿る旅行の中で、少しずつ記憶がよみがえり、野々宮希和子が自分のことをどれだけ愛してくれていたかに気が付きます

そして、お腹の中にいる赤ちゃんを一生懸命育てようと誓います。

 

父になってから観た、この映画の感想

 

この映画を初めて観たときはまだ独身でした。

今回は父になってから初めて観たのですが、初めて観たときとは少し違った気持ちで観ていました。

 

この映画は「命とは?愛とは?」ということを少し違う切り口でみせている映画だと思っています

野々宮希和子は愛する人との子供を産み、育てたかったわけです。

でも、その授かった「命」を守ることができなかった。

守ることができなくなってしまった結果、連れ去った子を我が子同然に育てます。

やったことは犯罪ですけど、この行動の原動力は紛れもなく本物の「愛」なんですよね。

 

親になって思うのは、「我が子の命を守り続けること」「我が子に愛情を注ぎ続けること」は無意識レベルでやっているということ。

子の命を守り、愛情を注ぎ続ける。

親のやることって、大きく見たらこの二つだけしかないとさえ思っています。

 

この映画は、私が思う親が子に無意識に近いレベルでやっていることを、ちょっと変わったストーリーで描いていると思っています。

むしろ特殊な状況だからこそ、子への愛が伝わりやすかったのかもしれません。

 

最後に

 

お恥ずかしい話、この映画を観た当時、角田光代さんの作品を一つも読んだことなかったんです。

しかし、この映画がきっかけで、その後角田さんの作品を読むようになりました。

これとかオススメなんで是非読んでみてください。

 

「八日目の蝉」は、そんなに映像作品を観ない、とくに邦画はほとんど観ない私が珍しく好きな映画です。

小説や映像作品は、観る人それぞれでいろんな捉え方があっていいと思います。好みもあるでしょうし。

まだこの映画を観たことない方は、観て感想を教えてください。他の人の目にはどのように映るのか、聞いてみたいですね!

今ならアマゾンプライムで無料で観れますよ~!


あ、あともう一つ。

世の中の既婚者たち!不倫は絶対やめよう!!

他の人を好きになってしまったときは、お別れしてから付き合おう!

どっちもキープは都合よすぎるぞー!!

 

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