安生正「生存者ゼロ」

2012年の『「このミステリーがすごい!」大賞』の大賞を受賞した本、読了しました。

私の中での、『近年読んだミステリーの中で一番すごい!大賞』の大賞も受賞しました。おめでとうございます。少しでも時間に余裕があれば、続きが気になりすぎて1ページでも読みすすめようとしていました。ここまで先が気になる本は初めてデス。

 

 

バイオサスペンスと呼ばれるらしい

物語は海上の石油採掘プラットホームと連絡が途絶えたというところから始まります。

自衛隊がプラットホームに行ってみると、中では無残な従業員の死骸が・・・

今まで私は、人が人を殺すミステリーしか読んだことがありませんでした。なので、この物語も結局はどこかに犯人がいてその犯人捜しをする話だと思ってました。

冒頭にもテロの可能性という記述があるので、サリンのような化学兵器または生物兵器を使ったテロをテーマにしていると思って読んでました。

しかし結末は予想と全然違う方向へ。

犯人はヒトではありませんでした。こういうタイプのお話をバイトサスペンスと呼ぶみたいです。あとがきに書いてありました。

情景描写が想像できすぎて怖い

私は大学で生物系を専攻していました。なので、話の中に出てくる難しい文章で書かれている菌などの話が大体理解できました。

そのせいで臨場感が増して、本当に起こり得るなとか考え始めてちょっと本気で怖かったです(笑)。
逆に、この分野を学んだことのない人にはチンプンカンプンな気がするんですが、そういう方は楽しめるんでしょうか。調べながら読むんでしょうか。それとも雰囲気だけ味わって流し読み?

あと、冒頭の荒波を航海中の船の描写。私は大学時代、乗船の実習も行った経験があるので、これもすごく想像できるんですよね。窓から外を見ていると空と海が交互に見えるような揺れも体験したことがあります。酔いに弱い私は、吐きはしなかったですが、もう二度と実習船には乗りたくありません・・・

情景描写に自分の体験が重なって、読んでるだけで気分が悪くなりました。

いい意味でも悪い意味でも、私とこの小説は相性が良かったと思います。

読んだタイミングが時事的にもマッチング

先日、シリアがサリンを使った攻撃を仕掛けたとのニュースがありました。

また、北朝鮮が核ミサイルを打ってくる可能性があるとも、連日ニュースで言われています。Twitterのトレンドに「ミサイル」が上がってくるほどです。

この記事を書きながら、もしかしたら、もう少ししたらミサイル飛んできて死ぬかもしれないなって思ってます。

小説では北海道が壊滅します。

そのようなことが、現実でも起こる可能性がある・・・

なんだこれ、めちゃくちゃ怖い・・・

木曜日から妻が帰省してるんです。今日帰ってくるんですが、死ぬときは妻のそばにいたいですよね。ほんとにそんなこと考えてます。

もともと怖がりですが、小説のせいで恐怖感に拍車がかかってます。読むタイミング、ミスりました。

まとめ

私は地方に住んでますので、私の住んでる街が標的になる可能性は低いと思われますが、それでもミサイルが日本に飛んで来たらホントに怖いですよね。

って話ではなくて、この小説、おすすめです。読むなら今です。

憲法改正反対派もミサイル飛んで来たら考え直すんでしょうか。

って話ではなくて、この小説、未知の生物との闘いです。医者や研究者が自らの誇りをかけて戦います。

題名どおりホントに「生存者ゼロ」になるんじゃないかとハラハラしますし、展開も全く読めません。

おススメです!

 

 

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