先日この本を読了しました。
『自閉症』について全くの知識がなかった私。
この本と並行してインターネットで自閉症について調べてみたんですが、自閉症のことを知れば知るほど、この本のすごさがわかります。
本当に重度の自閉症の方が描いたんでしょうか、と疑いたくなるくらいです。しかも書いたのは中学生のころとのこと。いやぁ、衝撃です。
自閉症とは
自閉症は現在は自閉スペクトラム症と呼ばれているようですね。
私、この本を読むまで自閉症について全く知らなかったんです。
正直、後天性のものだと思っていました。
自閉スペクトラム症は先天性の脳機能障害と考えられているようですが、原因はいまだ特定されていないようです。
自閉症スペクトラム障害は、社会的コミュニケーションの困難と限定された反復的な行動や興味、活動が表れる障害です。さらに知的障害や言語障害を伴う場合と伴わない場合があります。また、これらの症状は発達段階、年齢や環境などによって大きく変化するといわれています。
自閉症スペクトラム障害と一言で言っても、生活に支障をきたすほど症状が強い方から、症状が軽度で日常生活にほとんど支障なく暮らせる方まで様々です。症状の強弱や、知的障害を伴う・伴わないなどによって十人十色の理解やサポートが必要な障害です。
調べてみて、改めて周りを見回してみると、もしかしたらあの子は自閉症なのかな?と気が付くことがあります。
今まで、気になってなかったんですね、私。恥ずかしながら。
自閉症の方のこころ
障害を持たれた方の言動をみていると、同じ年齢でも健常者より少し精神の年齢が低めなのかな?と感じることがあります。
しかし、自閉症の方(全員が当てはまるのかは分かりませんが)は、実はそうではなくて、情報の仕分けができておらず、思い通りに体を動かせないというだけで、極端に知能が遅れているわけではないということをこの本は教えてくれます。
話しかけても返事が変えてってこない。質問をオウム返ししてくる。同じ質問を何度もしてきたりする。突然走り出したり、落ち着きがなかったり。怒られても同じことを繰り返したり。
こういうことがあると、知能が極端に遅れてるんじゃないか、言ったことは全く理解できていないんじゃないかと感じますよね。
でも実際はコントロールができていないだけで聞いているし、理解しようと努力しています。自閉症の方は本当に大変な思いをしているんだとこの本を読んで感じました。
ひとりでいることが多いけれど、ひとりでいるのが好きなわけではないとも書かれています。
そういった自閉症の方の心を、自閉症の方自身が、とても明瞭な文で綴っています。
本人の努力はもちろんのこと、東田さんはまわりの環境にもとても恵まれていたのだと思います。
世界中で翻訳されている
自閉症の方の中には言葉でのコミュニケーションが取れない方がいます。東田さんもそうです。
なので、何を考えているのか、理解できないこともあるようです。
自閉症の方を少しでも理解したいという思いから、この本は世界中で翻訳されています。
実際に読んでいて感じました。この本は自閉症の子を持つ親にはバイブルになるんじゃないかと。世界中の人に読まれていることに納得です。
日本人作家で翻訳数が多い本ランキングを調べてみると、
1位 村上春樹「ノルウェイの森」 36言語
2位 黒柳徹子「窓ぎわのトットちゃん」 35言語
3位 紫式部「源氏物語」 30言語
となっています。
上の本の帯を見てみると30か国以上で翻訳されていると書かれています。
30か国=30言語かどうかはよくわかりませんが、源氏物語レベルの本だということがわかりますね。
最後に小説が載っています。言葉でのコミュニケーションがとれない自閉症の方が描いたとは思えません。と、考えてしまうのは、誤解だったと、実は自閉症の方もいろぉおーーーーーんなことを考えながら生きているということがわかる本です。
まとめ
自閉症の子を持つ親の方で、もしかしたらこの本を知らない方はいないのかもしれません。
まわりに自閉症の方がいない人にこそ、この本はオススメです。
医学的な面からは様々な偉い人が研究してます。別の側面から、自閉症の人の心をのぞいてみませんか。
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